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[時事閒聊] 太子軍の兵士は粉塵爆発の知識などない。弓と刀ばかり...

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太子軍の兵士は粉塵爆発の知識などない。弓と刀ばかりの時代である。爆発などに遭遇した者すらここにいる兵士達の中には一人も居ないであろう。皆、当然のように肝を潰していた。「思い知ったか、愚か者ども。我は神ぞ。まだ我に刃向かうか。」又もや、声が響き渡る。太子軍の兵士達の耳には、暗闇から聞こえる猛獣の唸り声よりも遙かに肝を震わせ深く響くものであった。 丘に立つ影は次の火箭を右手に持ち、今にも弓を構える気配だ。 理解し難い出来事を目の当たりにし、しかも恐ろしい声を聞いた者達は怖気をふるった。粉塵爆発を知らぬ太子軍の兵士達の大半の眼には、煉獄の女神と名乗る影が手に持つ火箭こそが、爆発を生じさせた世にも恐ろしい兵器に映った。 知らず知らずの内に皆、息も止まる思いで僅かづつ後退りをしていた。この時、イザベラ達にとって更に僥倖であった事は、敵の司令官であるミハーナが飛び散った木片を頭部に受けて負傷気絶していた事であった。「ひっ、一先ず引け。治療の為、師団長を後方に移すのだ。」士官らしき者が放った一言に、太子軍の兵士達は逃げるように街道を戻り始めた。太子軍が引き返すのを見届けたのか、いつの間にか丘に立っていたイザベラの姿は消えていた。「イザベラ、さっきのは一体全体何だったんだ? 鬼神の力でも借りたのか。」二人して先を行く味方の部隊を追いながら、ヒューゴが尋ねていた。ヒューゴも見た事の無い出来事に衝撃を受け、興奮している様子だ。international primary school in hong kong「・・・・・・説明しても、理解できないだろうから言わないよ。ただ鬼神の力なんかじゃないさ。分からない者には摩訶不思議な事に思えるだろうけど。」「いや、しかし、あんな凄い力を持っているんなら、イザベラ一人で太子の軍勢を討ち取れるんじゃないのか。」 ヒューゴの興奮は尚も冷めやらないようだ。「馬鹿お言いでないよ。そんなに都合良く起こせる事じゃないんだ。今回はたまたま条件が揃ってただけで、自分の思い通りに条件が整えられるなんて事はこの世にゃ無いんだよ。」くどいと言わんばかりに、ヒューゴの言葉を遮って話を打ち切った。ただ後でヒューゴから話を聞いたハンベエが興味を持ち聞きに来た時は、物が燃えるという現象について、出来る限り説明したのは特別扱いの故だったのであろうか。 説明を受けたハンベエは、二、三度首を捻っていたが、「朧気にしか分からなかったが、教えてくれて有難うよ。出会った時からイザベラには驚かされる事ばかりだ。味方でいてくれて感謝するぜ。」と笑った。ともあれ、イザベラ達一団は街道の途中で待ち構えていたハンベエ及び騎馬傭兵部隊に辿り着き、馬相乗りして西に去って行った。 イザベラの起こした魔術の前に肝を潰しながら、それでも太子軍第五師団の兵士はへっぴり腰を無理に伸ばして負傷兵を回収し、ベッツギ川に残る味方部隊に合流した。 一応、街道には斥候兵を残して来ている。その辺りは烏合の衆とは異なり、曲がりなりにも軍隊であり、戦士達であった。爆発の際に木片を喰らって気絶した第五師団長ミハーナであったが、運に見放されているとまでの事は無く軽症であった。

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